遺言書があったらどうなるの?

■ 勝手に開封してしまうと改ざんを疑われる場合も!

遺言書には、被相続人本人が全文を書いた自筆証書遺言と、公証人に作成してもらう公正証書遺言、そして被相続人本人が書いて公証役場で手続きをする秘密証書遺言の3種類があります。いずれも故人が自宅などで大切に保管している場合がほとんどなので、自宅を探してみましょう。

ただし、もし遺言書が見つかったとしても勝手に開封してはいけません。勝手に開けると、後で加筆や改ざんなどを疑われ、トラブルのもとになってしまいます。原本が公証役場に保管され、改ざんの恐れのない「遺言公正証書」と書かれた公正証書遺言以外は、家庭裁判所で検認手続きを受ける必要があります。検認とは、遺言書の存在と内容を相続人全員に知らせ、遺言書の偽造や追加修正などを防止するための手続きです。

その後は、遺言を執行するための手続きなどを行う相続人の代表者、遺言執行者を決めましょう。

※ポイント

● 勝手に開封できない遺言書がある

● 検認は家庭裁判所で必ず行うこと

■検認の手続き

1.家庭裁判所に検認の申し立てをする

  遺言書を預かっている人、または遺言書を発見した相続人が、遺言者(故人)の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てをする

2.検認に必要な費用

  検認の申し立てには、遺言書1通につき収入印紙800円が必要。また、家庭裁判所との連絡用に郵便切手が必要になるので、切手代は各家庭裁判所で確認を!

3.必要な書類を準備する

  ・申立書
  ・遺言者の戸籍謄本(出生から死亡時までのすべての戸籍)
  ・相続人全員の戸籍謄本

■家庭裁判所の検認の流れ

1.家庭裁判所から検認を行う日が郵便で通達

  申立書や提出書類に不備がなければ、申し立てから約1カ月後に家庭裁判所から相続人全員に検認の期日が郵送される

2.指定期日に家庭裁判所で遺言書の検認を受ける

  検認をうける遺言書、印鑑、その他指定物を持参

3.裁判官が出席した相続人立会いのもと、遺言書を開封

  遺言書の状態や筆跡、内容などを確認する

4.遺言書の内容を執行するために「検認済証明書」の発行を申請する

  申請には遺言書1通につき収入印紙150円と申立人の印鑑が必要

■アドバイス

遺言があっても遺留分の請求は可能

実際の相続の現場では、「長男に全財産を相続させる」といった遺言で、一部の相続人が遺留分を侵害されているケースは少なくありません。遺留分とは、相続人が最低限相続できる民法で定められた財産のことをいいます。

遺留分を侵害された相続人は、被相続人が生前に長男に贈与した財産についても遺留分減殺請求することができます。なお、相続の内容に納得がいかず、遺言の無効を主張するケースもありますが、公正証書遺言の場合は、無効の主張は難しいでしょう。自筆の遺言の場合も、書いたのが本人ではなかった、遺言時に被相続人が認知症で正確な意思伝達能力がなかったなどの状況がない限り、遺言を無効にすることは難しいといえます。