融資の裏側 その2

Q1.赤字が2期続くと融資は出ないのでしょうか?

A1.一概にはそうは言えませんが、出ない可能性は高いです。

逆に出る場合というのは、赤字の内容が「役員退職金」のような一過性のものが原因の時です。

姑息な方法ですが、営業外損失になるような「除却損」を「特別損失」に入れるのも効果があります。

それよりも銀行さんが重視しているのが、「経常収支比率」です。

経常収支比率とは、通常の営業活動の経常収入からそれらを獲得するために支出した経常支出で割ったものです。

この比率が100%を超えていれば経常収入が経常支出を上回っているため資金繰りは安定しており、100%を切っていれば本業で資金繰りが逼迫していることになります。

この比率が105%を超えれば優良企業、95%を切ればかなり厳しい状況と言えるでしょう。

また、本当は赤字なのに融資を引き出すために黒字にした場合で、売掛金や在庫を水増ししている場合には実際の入金はありません。ですから、このような状態だと損益計算書から計算される経常利益率は黒字なのに、キャッシュフロー計算書から計算される経常収支比率が100%以下という事になります。

100%以下になると本部の融資部の決済が必要になるので、出ない可能性が上がるという事です。

Q2.「税引前利益」が赤字でも「経常利益」や「営業利益」が黒字だと融資は可能ということはあるのでしょうか?

A2.これはありえるケースです。

前回の記事(融資の裏側 その1)の「税引前利益+減価償却」で黒字であれば可能性はあります。

また新店舗を出した事による赤字などの一過性のものであれば、新店舗の出店にかかった費用を「新店出店費」という勘定科目で分けることで有利に取り計らってもらえることもあります。

ただし、前提として銀行の担当と仲良くなっていて銀行が応援してくれていることが必要です。

Q3.運転資金を設備資金として申し込むことはできるのでしょうか?

A3.いえ、できません。

設備資金は使い道がトレースされますので、正直に申し込むのが良いようです。

ちなみに運転資金が月商の2ヶ月分がMAXと言われています。

Q4.3月や9月は融資が出やすいというのは本当ですか?

A4.これは意外に本当です。

銀行も貸し出すことで収益が上がり、ひいては銀行の経営成績も上がりますので貸したいのです。

そのタイミングが、銀行の決算期である3月と半期決算期である9月なのです。

ですが、無理なものがOKになるわけではありません。

融資額300万が400万になるというふうにお考えください。

Q5.社長の情熱は融資にプラスになるのですか?

A5.情熱があってもプラスにはなりません。

設備資金は使い道がトレースされますので、正直に申し込むのが良いようです。

ちなみに運転資金は月商の2ヶ月分がMAXと言われています。

Q6.社長は借家より持ち家の方が融資に有利というのは本当でしょうか?

A6.はい、有利になります

かといって借家だから貸してくれないというわけではありません。

あくまで「法人の状況」を重視して融資を決定します。

ただし銀行は今でも担保を重視する傾向がなくなったわけではないということです。

Q7.融資を受けにくい業種というのはあるのでしょうか?

A7.アダルト業種は融資を受けることができません。

具体的には風俗店、ラブホテル、アダルトコンテンツの作成などの業種です。

これは銀行が外聞を非常に気にするためです。

銀行は新聞や週刊誌等でアダルト業種にお金を貸して、町工場などに貸していないということが公になると世間から大批判を受けるため、外聞には非常にセンシティブなっています。

Q8.「リスケ」はどのような状態になったらできるのでしょうか?またどのようにしたらリスケを受けることができるのでしょうか?

A8.「リスケ」とは「リスケジュール」のことで、返済が難しくなった場合に月々の返済額を減らしたりするように銀行に要望することです。

リスケは法律的な根拠があるものではなく、あくまで「銀行との私的な交渉」です。

銀行からすると返済が本当に難しくなって倒産されて、元本の回収すらできないという最悪の事態を回避するために認めます。

リスケは「このような状態になったら適用される」と決まっているわけではありません。

現実的に判断してお金を返せなくなった時にお願いに行くものと考えてください。

リスケに必要な資料は

①過去半年間の資金繰り表

②将来半年間の資金繰り予定表

③事業の改善計画

④各銀行の融資残高・完済予定日、減らす返済金額等(銀行取引表)

の4つになります。

特に資金繰り表は重要で、もしリスケをしてもお金が廻らないようであれば、銀行はリスケを認めずに差し押さえを選択する可能性もあります。

また、複数の銀行から融資を受けている際は、すべての銀行に同時にリスケをしないといけません。

どこか一つの銀行だけをリスケするというのは認められないのです。

これは銀行サイドからすれば「なぜうちだけリスケしないといけないんだ」と考えるからです。

リスケを一度してしまうと基本的に二度と銀行融資を受けることはできなくなります。

特に保証協会の案件をリスケすると保証協会り履歴が残ります。

プロパー融資をリスケした場合、他行でプロパー融資を受けるのであればバレないこともあるようですが、その銀行との付き合いは終わりになります。

このことからもリスケは最終手段と考えて慎重に検討してください。