在庫の評価は節税につながりますか?

会社の在庫の金額は毎月末または決算日時点で、数量を数え、単価(評価額)を乗じて求めます。そもそも在庫とは、会社に、まだ売れずに残っている商品のことを言いますが、この商品の評価により節税が可能です。

評価額の算出方法には、大きく分けて「原価法」と「低価法」があります。

原価法とは商品を購入した時の価格で在庫の金額を算出する方法です。これに対し低価法とは期末時点での在庫の時価と購入した時の価格を比較し、いずれか低い価格を計上していく方法です。

この2つの方法のうち、節税に効果的なのが低価法です。なぜならば在庫の金額(評価額)が小さければ小さいほど、売上原価の金額が増え、結果的に利益が圧縮され、算出される課税所得が減るからです。

したがって、商品の購入時より、決算時点での商品の時価が下がっていれば、当然評価額の低い時価で評価することになりますし、仮に購入価格より時価が高くなっていた場合でも、原価法と同じく、購入価格で評価されるだけなので、結果的に原価法と同じ金額になり特にデメリットはありません。

具体例に解説します。

単価1万円の商品を60個仕入れ、そのうち50個を単価2万円で販売します。したがって、期末に10個の在庫があります(在庫の期末時点の時価は1個あたり7千円)。

①原価法の場合
 売上高:50個×2万円=100万円
 売上原価:仕入高60万円–在庫10万円=50万円
 利益:売上高100万円–原価50万円=50万円

②低価法の場合
 売上高:50個×2万円=100万円
 売上原価:仕入高60万円–在庫7万円=53万円
 利益:売上高100万円–原価53万円=47万円

上記でわかるように原価法より低価法の方が利益が3万円圧縮され有利となります。

また、低価法の採用には所轄税務署長に、以下に掲げる日の属する事業年度の確定申告期限までに届出をする必要があります。
●新たに設立した法人・・・・・設立の日
●新たに収益事業を開始した法人・・・・・開始した日
●他の種類の事業を開始した法人・・・・・開始した日
●事業の種類を変更した法人・・・・・変更した日

特に届出をしなかった場合は、最終仕入原価法(最後に仕入れた時の購入単価を、残っている商品在庫に乗じて計算)による原価法という評価方法で計算することになります。

なお、棚卸資産の評価方法を変更する場合には、変更しようとする事業年度の前日までに所轄税務署長に「棚卸資産の評価方法の変更承認申請書」を提出し承認を受けなければなりません。