在庫の処分は節税につながりますか?

在庫の廃棄

期末時点で残っている在庫のうち、売れる見込みがない商品を実際に廃棄処分することにより廃棄損が計上でき節税になります。

実際に売れる見込みのない商品を廃棄して、その原価部分を損失に計上して利益を減少させることにより課税所得も少なくなるので、評価損の計上よりも確実で、税務調査時にも争いがありません。

また、在庫が長期間売れ残っている場合は、その在庫を保管しておく倉庫の賃貸料や保険料等の管理維持コストがかかっています。売れ残り商品に今後もお金をかけていくことは経営上よくありません。よって売れる見込みのない在庫をたくさん抱えているのであれば、在庫を廃棄すると、無駄な管理維持コストも削減でき一石二鳥です。

実際の廃棄に当たっては、廃棄の事実を残すために、社内決裁した議事録や廃棄業者から受け取った証明書や領収書も保管しておきましょう。当然、廃棄の時期は決算日以前の日でなければならず、必ず決算日以前に、廃棄業者に引き渡すようにしましょう。

在庫を値引き販売

上記の在庫の廃棄する方法も節税対策として効果がありますが、どうしても廃棄処分の場合、キャッシュイン(お金が入ってこない)がないので、仕入れ代金そのまま損失となってしまいます。多少なりとも、仕入れ代金の回収をしたいのが本音のところでしょう。その場合は、廃棄ではなく、売れ残った商品を赤字を想定しつつも、値引き販売するという方法があります。

「決算セール品」などという名目で期末に売れ残った商品を一掃し、在庫の金額を少しでも減らし、利益も圧縮するという方法です。また多少なりともキャッシュが入ってきますので資金繰りの改善としても有用です。

値引き販売の場合は、セール時のチラシなどを保管しておき値引き販売の事実を残しておきましょう。

ちなみに、値引き販売でよく行われるのが自社の社員に対して安く売る方法です。ただし社員割引の場合、社員への現物給与であるとみなされる可能性もありますので注意が必要です。

それでは、どの範囲なら現物給与としてみなされないかですが、所得税法上、以下の要件を満たしていれば問題ありません。
①販売価額が仕入れ価額以上で、かつ、値引き販売後の販売価額の70%以上であること
②役員や社員の職位や勤続年数等にかかわらず値引率が一律であるか、または一律出なくても全体的に合理的なバランスが保たれていること
③販売数量が一般家庭で消費する程度であること(買いすぎ・売りすぎはダメだということです)